HPVゼロプロジェクト
子宮頸がんワクチンについて、産婦人科医 行徳総合病院の坂本先生と当院の副院長で動画を作成しました。
接種を受けた方、検討している方、接種中の方、娘さんやお孫さんがいる方、みなさんでご覧ください!
子宮頸がんであなたの人生の選択肢がせばめられませんように、ワクチン接種という方法を検討ください。
『子宮頸がんワクチン、私は打ちました。』
守れる命を守る会 作成
子宮頸がんワクチンを知ろう!まんがで解説
【医療機関・学校関係者・行政関連の方へ】
HPVワクチン啓発のため、自由にダウンロードしてご使用ください。
① 甲賀先生に質問
② はるこ先生に質問
③ うるま先生に質問
④ 愛子先生に質問
子宮頸がん(しきゅうけいがん)
子宮頸がんは、がんによる死亡原因の第3位、女性特有のがんの中では乳がんに次いで第2位を占めています。特に20代から30代の女性においては、発症するすべてのがんの中で第1位となっています。
子宮頸がんの罹患率と死亡率
日本における20~39歳の女性10万人当たりの各種がんの発症率推移
原因
性交渉で感染するヒトパピローマウイルス(Human Papillomavirus :HPV)が原因になります。
HPVは風邪のように日常的にありふれたウイルスです。一度の性交渉でもハイリスクのものに感染してしまえば子宮頸がんに発展する可能性があるため、だれにでも起こりうる癌であるととらえることが重要です。ただし性交渉の経験がなければ、HPVの感染の機会がないので、子宮頸がんになるリスクは極めて低いです。
HPV感染しても正常な状態からすぐがんになるのではなく、長期にとどまり続け持続感染することで、数年の間で細胞の形を変えていきます。
まず起こる細胞の変化は、上皮内の異形成です。軽度~中等度~高度異形成の段階を経て、上皮内癌になり、さらに増殖して上皮内にとどまることができなくたったものが子宮頸がんに発展します。
つまり、子宮頸がんを発症するまでには、①HPVの持続感染→②前癌病変(子宮頸部異形成)→③子宮頸がんというプロセスを経るため、実際に癌を発症するまでには10年前後の時間を要するといわれています。
症状
子宮頸がんは、子宮の頸部でがん細胞が静かに増殖していくため、初期症状といえる症状がほとんどありません。
病気が進行しても、不正出血や性交時出血やおりもの異常など、生活に支障をきたすほどの症状で はありません。
そのため、定期健診と予防対策が大変重要です。
治療
子宮頸がんは、進行すると子宮をすべて摘出する手術が必要になり、妊娠、出産の可能性を失い、女性にとって心身ともに大きな負担になるばかりでなく、結婚・出産という人生の選択肢も狭まる可能性があります。しかし早期発見できれば、子宮頚部の癌が発生している場所だけを切除(円錐切除)したり、レーザー蒸散をして完治できる場合も多々あります。
なんどもお伝えしますが、早期発見・治療が重要です。
子宮頸部円錐切除術
病変部を切り取ることで癌の進行を防ぎます
予防接種(HPVワクチン)
HPVとは
HPV(ヒト パピローマ ウイルス)が長期に持続感染することで、子宮頸部の細胞が変化し、子宮頸がんになります。このウイルスは皮膚・粘膜の接触で感染しますので、感染経路は性交渉によります。
HPVは150種以上あり、風邪のウイルスのように非常にありふれたウイルスです。初回性交後4-5年で50-60%の女性が感染し、約8割の成人女性が一度はHPVに感染し、9割は自然に消えるといわれています。
しかし、HPVの型によりウイルスの性格が異なり、病気になる場所やその危険度は異なります。婦人科の領域では尖圭コンジローマのウイルスもHPVに含まれます。また男性の陰茎癌・喉頭がん・肛門がんにもHPVの感染が原因であることもあります。
HPVは危険度によって、ハイリスク群とローリスク群に分けられます。
ハイリスク→16,18,31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,67,68 型
ハイリスク群に感染すると、のちに子宮頸がんになる率が高くなります。
特にHPV16、18、31、33、35、45、52、58型の8つのタイプはいずれも自然消失しづらく特に子宮頸がんに進展しやすいのでより注意が必要です。とりわけHPV16型と18型はとてもリスクが高く、子宮頸がんの半数以上にこの型のウイルス感染があるといわれています。