骨粗しょう症

婦人科

 
骨粗しょう症とは

骨粗鬆所とは骨がスカスカになり、進行すると骨折する病気です。

閉経などの理由で、骨を壊す細胞(破骨細胞)と作る細胞(骨芽細胞)のバランスが崩れます。骨を壊す細胞のみが働き続けることで、骨がもろくなってしまいます。転倒することなどにより骨折する危険性が高くなるという仕組みです。

 
骨のしくみを知って、骨粗しょう症の対策を考える~骨は生きている~

1:骨のライフサイクル~骨は女性ホルモンに連動して増減する~

女性ホルモンと骨量は大きく関係します。

下のグラフのように、成長期に女性ホルモンがふえると骨量も増え、閉経後に女性ホルモンが減ると女性ホルモンは減ってしまいます。

 

5~18歳頃まで~骨量を増やす~

骨は女性ホルモンのピークより早く、18才前後をピークに最大骨量になります。ピーク時までの時期は、骨量は約2倍と大きく増加します。つまり、栄養分の摂取や適度な運動はこの時期が一番有効です。

運動の中でもとくにバスケットボールやバレーボールなどの垂直に体重がかかる運動は、骨量を増やすのに効果的です。

しかし最近では若い女性の骨粗しょう症も問題視されています。

 

偏食や極端なダイエット、喫煙や過度の飲酒なども骨粗しょう症の原因になります。この時期に十分な骨量を保てなければ、将来の骨粗しょう症につながりやすくなります。

20~40歳頃まで~骨量を維持する~

骨量のピークは18歳前後で、それ以降は減少していきます。しかし、適切な栄養分の摂取や運動により維持が期待できます。女性ホルモンのピークはこの時期ですが、出産後や授乳期は女性ホルモンが60代と同程度に低下してしまうため、特に運動とカルシウム・ビタミンD等の補給を心がけましょう。

よこすか内科小児科・はるこレディースクリニック
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50歳以降~骨量を減らさないようにする~

閉経を迎える50歳前後から骨量は急激に減少し、60歳代では3人に1人、70歳以上になると2人に1人が骨粗しょう症になっていると言われます。閉経後は年に一回骨密度を測定しましょう。

まとめ

女性ホルモンはが減少するのは、通常は閉経後です。

しかし、月経不順(ストレス・過度の運動・ダイエット。骨のピークを迎える思春期に多い悩みが、閉経以降の骨粗しょう症につながるのです)、成長障害、30代から40代からふえる婦人科癌での外科的閉経や乳癌での女性ホルモン抑制療法でも女性ホルモンは低下します。

つまり女性は閉経後からではなく、生涯にわたり、骨粗しょう症を意識することが大切です。

2:骨のしくみ~骨は毎日うまれかわる~

骨は新陳代謝をします。

骨が作られること(骨形成)と骨が壊されること(骨吸収)は、毎日おこなわれていて、年間40%もの骨が入れ替わっています。骨形成と骨吸収のバランスを保つために大きくかかわっているのが、女性ホルモンです。女性ホルモンは主に骨形成を促すことで、骨を健康な状態にしています。

 

しかし女性ホルモンが減少しているので、骨形成が減ってバランス的に骨吸収が増えてしまいます。

そのため骨量は年齢とともに減少して骨粗しょう症になってしまうのです。

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しかし閉経後の骨も、毎日代謝されるので、年間40%は生まれ変わる状態は続きます。

つまり、骨粗しょう症の治療はいつからでも効果はあります。

そのかわり治療をやめると1-2年でもとの治療前の骨密度にもどって低下してしまいますので、骨粗しょう症の治療は一生必要です。

 

骨密度の治療はいつからでも遅くはありませんが、早いにこしたことはありません。

骨粗しょう症の治療で30%も死亡リスクが減り、骨折ドミノの70%が予防できるといわれています。

3:骨粗しょう症を最初に発見できるチャンスが多いのは婦人科医師

実は女性ホルモンを診療する婦人科は骨粗しょう症の早期発見・早期治療に介入しやすい科なのです。

婦人科には多くの女性が女性ホルモンの悩みで来院されます。

特に閉経は誰にでも起こる女性ホルモンが減少する現象です。

閉経前後は更年期障害、閉経後は腟のカサカサ感や子宮脱などの日常的にきになる症状が現れやすいです。

実はその時が、骨粗しょう症の早期発見・治療のチャンスです。

骨粗鬆は整形外科を連想する方が多いと思いますが、骨折症状が起こってから受診する可能性の高い整形外科よりも、女性ホルモン扱うことの多い婦人科が一番、骨粗しょう症の早期発見に適した科だと言えます。

 

4:骨質について~骨密度が高くても骨折することがある~

骨密度(7割)+骨質(3割)、あわせてを骨量と定義するのが主流になってきています。

骨密度が高い方でも骨折するのは、骨質が低下しているからです。男性は骨密度が高くても、骨折する方が多いです。

骨質の低下にかかわるのは、代謝疾患、低栄養、生活習慣病(糖尿病、脂質代謝異常、動脈硬化症等)、慢性腎不全、慢性肺疾患、慢性肝機能障害、ステロイドの使用です。

最近では、AGEsという酸化ストレス物質が増加することで、骨質が下がり、骨強度が低下するという仕組みが明らかになってきました。

閉経後の女性に加え、上記のような疾患・リスクのある方は一度おかかりの内科または骨粗しょう症外来のある整形外科に、骨粗しょう症についてご相談することをお勧めします。

 
骨粗しょう症の頻度~どれくらいの人が骨粗しょう症になるの?~

骨粗しょう症は閉経後の女性に最も多いです。日本人女性の骨粗しょう症の患者数は980万人と推計され、そのうち治療を受けているのは5%の方のみといわれています。(ちなみに男性の骨粗しょう症患者は300万人、そのうち治療をうけているのは1%の方のみです。)患者数は年々増加しており、2030年以降では女性だけで1,200万人前後に達すると予想されています。

年齢別だと、60代女性の3人に1人、70代女性の2人に1人が患者になっている可能性があるとされています。

 
骨粗しょう症の症状
 

症状1~骨粗しょう症からの骨折~

骨粗しょう症は『サイレント・ディジーズ(静かな病気)』といわれます。

深く静かに進行していきますので、自覚できるほどの症状が表れるのは更年期を過ぎてからが多いです。

 

骨粗しょう症になっても、痛みはないのが普通です。しかし、重いものを持ち上げる、転ぶなどのちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。骨折が生じやすい部位は、せぼね(腰椎の圧迫骨折)、手首の骨(橈骨遠位端骨折)、太ももの付け根の骨(大腿骨頸部骨折)などです。

 

大腿骨頸部の骨折:骨折リスクは20%

女性の5人に1人の女性が大腿骨頸部骨折リスク

腰椎の骨折:骨折リスクは37%

女性の10人中4人が腰椎骨折リスク

骨折が生じると、その部分が痛くなり動けなくなります。

また、背中や腰が痛くなった後に、丸くなったり身長が縮んだりします。

症状2:椎体骨折のサイン~計測してみましょう~

脊椎の圧迫骨折をする10人中6人が激しい痛みを伴いますが、4人は自覚症状のない「いつのまにか骨折」です。

 

いつのまにか骨折のサイン

①後頭部が壁につかない。

②身長が縮む。(身長が4cm縮んだら74%に椎体骨折があるといわれています。)

③両腕を伸ばした時の長さが、身長よりも約7cm以上長い。(複数椎体や重度の骨折が疑われます。)

症状3:骨折ドミノ

恐ろしいのは、「骨折ドミノ」という現象です。

骨粗鬆による骨折が一か所でおこると、1年以内に、ドミノ倒し的に他の骨折も次々におこることをいいます。

 

症状4:要介護状態へ

太ももの付け根のほねの骨折(大腿骨頸部骨折)等が起こると、寝たきりになってしまう可能性が高くなります。

要介護・要支援となった主な原因の約12~22%が、骨折・転倒が原因といわれています。

 

骨粗しょう症による骨折の5年生存率

骨粗しょう症での骨折した後の5年生存率=治療してから5年後に生きている人の割合を癌の5年生存率を比べてみると、おそろしいことがわかります。

脊椎骨折は約70%、大腿骨近位部骨折は約50%です。

一般的な癌の5年生存率は66%です。

大腿骨骨折をすると、癌になったときの5年生存率よりも低いのです。

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骨粗しょう症の検査

骨粗しょう症の診断は、骨のレントゲン検査や骨密度の測定で行います。骨の代謝の状態を評価するのに、血液検査や尿検査を追加することもあります。

その他に持病や既往歴等の問診の情報も、重症度判定の参考にすることもあります。

 

レントゲン検査

既に骨折があるかどうかは、骨密度の重症度判定に必要な情報です。

 

骨密度検査

『骨粗しょう症の予防と治療ガイドライン2015年度版』の基準どおり、当院ではDXA法による腰椎(L1~L4)と大腿骨頸部の骨密度の測定を行っております。

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結果レポート(大腿骨・腰椎)

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血液検査

血液検査で骨吸収マーカーと骨形成マーカーを測定し、治療方針を決定したり治療効果を判定します。

 
骨粗しょう症の治療法

基本的に薬物療法です。

適応があれば、

閉経前後で更年期症状なども併発している場合は女性ホルモン補充療法

閉経後の女性ホルモンの減少が原因の場合は、SERM(選択的エストロゲン受容体作動薬。一般名はビビアントやエビスタです)

の内服療法が基本になります。

上記以外に、カルシウムやビタミンD、ビタミンKの補充も併せて行います。

そのほか、骨粗しょう症のリスク因子や病態、その人自身の体質によって、ビスホスホネート、デノスマブ、テリパラチド、最近発売されたロモソズマブ(イベニティ)等の内服薬、注射薬などがあります。

 
骨粗しょう症の予防法

骨粗しょう症は予防が大切な病気です。

若い頃から、バランスの良い食事、カルシウムやビタミンD、ビタミンK、適量のタンパク質を摂取することに加えて、規則正しい生活、適切な運動(特に垂直運動)、禁煙やアルコールを控える事などに気を付けましょう。日光浴も効果的です。

~100歳をこえてもWell Being Lifeを~

骨のメンテナンスをすることで

​ごきげんな老後を目指しましょう