
予防接種(成人)
内科
接種間隔について
2020年10月以降は、異なる種類のワクチンを接種する際の接種間隔のルールが変更されました。
接種間隔に関する3つのルールを守れば、前のワクチン接種からの間隔に関わらず、異なるワクチンの接種が可能になります。厚労省が明示しているルールは以下の3つです。
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注射生ワクチンから次の注射生ワクチンを受けるまで27日以上の間隔をおく。
※注射生ワクチンとは、麻疹風疹混合ワクチン、水痘ワクチン、BCGワクチン -
同じ種類のワクチンの接種を複数回受ける場合は、ワクチンごとに決められた間隔を守ること。
※複数回接種のワクチンは、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、ロタウイルスワクチン、B型肝炎ワクチンなどです。 -
発熱や摂取部位の腫脹(はれ)がないこと、体調が良い事を確認し、かかりつけ医に相談の上接種を受ける事。
任意接種
帯状疱疹予防ワクチン(50才以上)
帯状疱疹の予防ワクチンは水痘のワクチンです。
●接種時期・回数
50歳以上の方が対象となります。
生ワクチンであれば50才以上1回皮下接種、不活化ワクチンであれば、0.5mlを2か月間隔2回筋肉内注射します。
A型肝炎
A型肝炎は貝類の生食や途上国での飲み水で感染します。
発熱、肝障害を来し入院加療が必要になることもあります。
●接種時期・回数
60歳未満の方は抗体保有率が低く接種をおすすめします。
国産A型ワクチンエームゲンは初回、2-4週後、6-24か月後と3回接種します。
破傷風トキソイド
破傷風菌は広く土壌に生息する菌です。
古釘を踏んだり、外傷などで深めの傷を受傷したり、動物に咬まれたりすることで感染します。
破傷風菌が産生する毒素から開口障害、首や顔の硬直、呼吸筋麻痺を来すことがあります。
抗菌薬や免疫グロブリンで加療しますが、致死率は10-20%と高いです。
●接種時期・回数
今まで3回接種したのち、10年を経過している場合は1回接種が推奨されます。
今まで3回の定期接種をしていないまたは接種歴不明の場合、3回接種をし基礎免疫をつけます。
三種混合ワクチンにも破傷風ワクチンが含まれるため、そちらの接種で代替可能です
B型肝炎ワクチン
B型肝炎は性交渉や血液を介した処置などで感染します。
医療従事者は感染リスクが高く、学生の頃からB型肝炎ワクチンを接種しています。
日本でも2016年から定期接種となりましたが、成人の大部分の方は抗体がないと思われます。
急性B型肝炎は発症すると1%程度が劇症肝炎になり、劇症肝炎発症の7-8割が亡くなる病気です。
また近年欧米型のジェノタイプAが慢性化を来しやすいことがあり、B型肝炎ワクチンは抗体がない方は接種をお勧めします。(慢性B型肝炎や急性B型肝炎の不顕性感染の方は抗体があるため、接種前にHBs抗原、HBs抗体、HBc抗体などの血液検査をします)
●接種時期・回数
B型肝炎ワクチンは初回、4週間後、5-6か月後の3回接種し、その後免疫がついているか血液検査で抗体価を調べます。
水痘ワクチン
2014年の10月より定期接種の対象となりましたが、それ以前は接種していない方もいるため、抗体をもっていない(接種していない、または、未感染で抗体がない)可能性があります。
大人になって感染すると重症化するため注意が必要です。
●接種時期・回数
抗体価を測定してから、ワクチンを接種するか決めることができます。
接種は1回または2回(4-8週後)接種します。
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
発熱を伴う耳下腺が脹れる病気です。
2020年時点でおたふくかぜのワクチンは定期接種に入っていません。
感染しても症状がでない不顕性感染も30%ほどあります。
合併症としては、無菌性髄膜炎、膵炎、精巣炎などがあります。
●接種時期・回数
抗体価を測定してから、ワクチンを接種するか決めることができます。
接種は1回または2回(4-8週後)接種します。